高級キャバクラで元カノの思い出と決別

彼女と喧嘩別れして1ヶ月。
落ち込んでいる俺を励まそうと、友達の加藤が銀座にある高級キャバクラへ連れて行ってくれることになった。

「すげーキレイな子ばっかりなの。青木の元カノのことなんて一瞬で忘れるぜ」

そんな簡単に忘れるわけないだろうと思いつつ、どこか期待してしまう自分がいた。
俺は複雑な気持ちを抱えながら、加藤と共に銀座へと向かった。

付き合いで普通のキャバクラに何度か行ったことはあるが、高級キャバクラは初。
予想はしていたが、店内はとても豪華。
またボーイも高級ホテルのスタッフのようにキビキビしていたのが印象的だった。

友人がいつも指名しているキャバ嬢

マリとの出会い

「俺のお気に入りのアイコ」

そう言って、加藤がいつも指名している『アイコ』というキャバ嬢を紹介された。
ボーイッシュで元気一杯の可愛らしい女性だ。
高校の頃からスポーツ少女にばかり恋をしていた加藤らしい。
そしてアイコと一緒にやって来た女性が俺の横へとやって来た。

「はじめまして。マリです。よろしくお願いします」

いいところのお嬢さんなのでは、と思うくらいに清楚な女の子だった。

「マリちゃんは最近入った新人さんなんです」
「あーじゃあ青木にピッタリ!こいつも高級キャバクラ、今日が初めてなんだって。あと最近、彼女と別れたばっかりだから!」

加藤の雑な紹介に苛立ちつつ、マリを自分の席へ座るように誘導した。

「彼女さんと別れたって本当ですか?寂しいですね」

真剣な眼差しで自分を見つめるマリ。

真剣な眼差しで自分を見つめるマリ
その目を見ていると、なぜか元カノとの思い出が走馬灯のように蘇ってきた。
いつのまにか、酒の力を借りつつ、元カノと別れた経緯を洗いざらい話している自分がいた。
加藤のように余計なチャチャを入れることなく、マリは黙って相槌を打ちながら聞いてくれ、とても心地良く話すことができた。

「マリに話して、なんだかスッキリした。元カノのこと忘れられそうだわ」

そう言うと、マリはにっこりと優しく微笑んだ。
しばらくは彼女を作らず、マリに会いに高級キャバクラへ来るのもいいかもしれない。
そんなことを滅多に足を踏み入れない銀座という場所で思った夜だった。